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元町映画館☆特集

美術館を手玉にとった男

本物だけが全てじゃない。贋作にも価値がある。

美術館を手玉にとった男

監督:ブランドン・ローパー

全米20州、46の美術館を30年間だまし続けた画家マーク・ランディス。彼はピカソ、マグリットからディズニーまで徹底的に本物に近い贋作を美術館に寄贈し続けた。彼はなぜ贋作を作り続けたのか。

寄贈することは罪にならない。しかし規模が違う。彼はあくまで慈善活動としてアートを寄贈する。もちろん贋作だと発覚した時、メディアは加熱しついにはFBIまで調査に乗り出す始末。彼は一切金銭は受け取っていない。あくまで寄贈。周りのことはお構いなしに彼は”慈善活動”を続けていく。

私は芸術の知識もセンスもないです。そう芸術には本当疎いです。ですが一人の人間が何かに没頭する姿を目で追うことはできます。もちろん芸術の知識がある人はさらにこの映画を楽しく見ることができるでしょう。しかしマーク・ランディスも一人の人間です。彼にも歴史があって贋作を作り続けるのには訳がある。その理由を知った時に観客は彼を非難する立場から応援する立場に変わるでしょう。

彼を助ける。そんな表現があっているかは分かりませんが、助けたくなるそんな魅力が彼にはあります。美術館を混乱させたのは事実ですが...

もし自分にあれだけの画力があれば、チャチャチャと書いて「うわぁ、ええのかけた。よっしゃ美術館出したろ」くらいの勢いあるおじいちゃんになれるのだろうか。いや、なれない。

才能があるって羨ましい限りです。そして彼の一番の才能は続けることではないでしょうか。描き続けること、そしてそれを無償で寄贈すること。その続ける姿を見ることだけでもこの映画を見る価値があると思います。
上映スケジュール
3/26(土)~4/1(金) 12:30~
4/2(土)~4/8(金) 14:30~

上映初日には「オリジナルなんて存在しない?」をテーマに加藤義夫さん(インディペンデント・キュレーター/美術評論家)によるスペシャルトークあり