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元町映画館☆特集

愛に逆らえない。『寝ても覚めても』公開

芥川賞作家・柴崎友香さんの原作小説を濱口監督が惚れ込み映画化

神戸を舞台にした5時間17分の大作『ハッピーアワー』も記憶に新しい濱口竜介監督が手がけた商業デビュー作。芥川賞作家・柴崎友香さんの原作小説を濱口監督が惚れ込み映画化。主演に東出昌大さんや唐田えりかさんなど豪華キャスト。

こんなお話

大阪に暮らす朝子は偶然出会った麦と恋に落ちる。しかしある日、麦は朝子の前から姿を消した。2年後東京に引っ越した朝子の目の前に現れたのは麦とうり二つの亮平だった。二人は当たり前のように付き合い、夫婦のように暮らす。しかしそんな生活は長くは続かなかった…。

「あれ、なんかおかしい…」それがこの作品を初めて観た時の感想だ。そう、その時には濱口マジックにかかっていると言っていい。というのも濱口監督は演者に対して独特の演出方法をすることで有名だ。東出さんが麦と亮平の一人二役を演じた。これも本作に独特な雰囲気を与える。1本の映画だけれども、2本の映画を重ねて出来上がったような作品。画面は一つなのに画面の奥にもう一つ画面があるような、なんとも不思議な気分だ。

主演二人へのインタビュー記事を呼んでみると監督からは「作為的な演じ分けをしないでくれ」と言われたそうだ。「一切の感情を抜く」…これこそが濱口マジック。感情を抜いた分、画面から人や景色が浮き上がってくる。

この映画はあくまで誰にでも起こる日常を描いている。だからこそ中盤以降の劇的な変化についていけないかもしれない。でもそれを通り越したエンディングをどう捉えるか。いや、あまり考えずに観て欲しい。思考の余白部分があればあるほど、この映画は面白くなる。新年の映画初めにもオススメです。
寝ても覚めても
(監督:濱口竜介/2018年/119分)
上映スケジュール
1/1(火)~1/4(金)
連日11:00から