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元町映画館☆特集

ベートーベンさんには悪いけど『ルートヴィヒに恋して』

「第九」をうたうことに情熱を傾ける第九市民合唱団を描いた長編ドキュメンタリー

「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」、これ誰だか知ってますか?
クラシック好き、いや誰もが知るあのベートーヴェンの本名です(ババババーン!、バ・バ・バ・バーン)。

あえてベートーベンさんと言わしてもらいますが、彼の作った作品たちは今でも数多くの人を魅了しています。そんな中でも特に日本人には聴き覚えのあるのが「交響曲第9番」通称、“第九”です。『ルートヴィヒに恋して』はその第九に魅せられたいわゆる“シロウト”に焦点を当てたドキュメンタリー映画です。

こんなお話。
「第九」をうたうことに情熱を傾ける第九市民合唱団を描いた長編ドキュメンタリー。主役や小学生から100歳を超えるおばあちゃんまで専門的な音楽教育を受けていない“シロウト”たち。第一次大戦中に「第九」が鳴り響いてから、現在にいたるまで、第九が人々に与えた影響、そしてその人たちがどのように楽曲に対して向き合っているか…。

舞台はおもに兵庫県神戸市や姫路市に暮らす人々。
登場するのはプロでもない、一般の方々。この映画の主役は?と聞かれると難しい。なぜなら登場人物全員が凝っている。プロじゃないからこそ出てくる、本音。「私は今でも第九が嫌い」、歌の練習中に家族から「うるさいからあっちいって」と言われる方も。この映画に出てくる人が全て肯定的に「第九」を捉えていないからまた面白い。そりゃそうだ、人には好き嫌いがあるから。だからこそこの「第九」に賭けている人のコメントにはグッとくる。

また登場人物の面白さだけでなく、「第九」の持つ魅力にも驚かされる。単に「歌う」と言っても男女で声も違うし、今回の市民合唱団は小学生から100歳まで様々な声が存在する。譜面通りにもいかない。同じ曲でも時代が変われば、捉え方も全く違う。「人に歴史あり」「曲に歴史あり」だ。恐らく本作を観れば、自然と合唱シーンでは心の中で歌ってた。本作の金監督曰く「盛り沢山になりました…」。おっしゃる通りで山盛りです。第九は譜面に対して、いろんな角度から人の想いが加わります。そりゃ盛り沢山になるわけです。怒涛の139分でした。
ルートヴィヒに恋して
(監督:金素栄/2019年/日本・韓国/139分)

上映スケジュール
2/23(土)~3/1(金)
連日12:40~