地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、神戸市灘区の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

神戸市灘区の地域情報サイト「まいぷれ」

元町映画館☆特集

元町映画館9周年 × YIDFF30周年「山形国際ドキュメンタリー映画祭傑作選」開催

当館創設者の堀による特別選定!

突然ですが、8/21(水)に当館は9周年を迎えます。この周年記念日、いつも思います。周年を祝うべきか、それ以降(今回であれば10周年突入!)を訴えるべきか…とそんな小さなことは置いといて。めでたい日なのです。

当館では周年記念日に合わせて特集上映を実施しています。昨年は神戸の南京町さんとコラボレーションし、香港や台湾映画の名作を上映。多くの方に楽しんでいただきました。そして2019年の今年は山形県で10月に開催予定の映画祭「山形国際ドキュメンタリー映画祭」30周年もお祝いします。

上映作品は5作品。この5作品はただの5作品じゃございません。なんと当館創設者の堀による特別選定。堀はこの映画祭の大ファン。現地でも映画を鑑賞し、その中から特に「面白い、良いもの」を厳選してお届けします。

上映作品
『スクリーンプレイ:時代』
(監督: バーバラ・ユンゲ、ヴィンフリート・ユンゲ/1993年/ドイツ/35mm(SD)/284分
1961年にベルリンの壁が作られた直後、ゴルツォウという小さな村の子供たちの記録映画の製作が始まった。カメラは入学、卒業、就職、結婚、壁の崩壊後の子供たちを追う。子供たちを通してドイツの歴史を描き、旧東ドイツ最大のフィルムスタジオDEFAの映画史にもなっている。

『阿仆大(アプダ)』
(監督:和淵(ホー・ユェン)/2010年/中国/BD/145分
中国雲南省北部。少数民族ナシ族の農夫阿仆大は、老いて体の自由のきかなくなった父親と二人暮らしをしている。暗い室内で薄明かりをたよりに、父が服を着て、煙草に火をつけ、床の上に起き上がるのを助ける。阿仆大自身は、父の介護のかたわら、果樹の手入れや水汲みにいそがしい。時には近所の老人が来て、不人情な息子の愚痴をこぼす。山の奥深い村に生きる父子を、悠揚たるリズムと深みのある映像で見つめ、生と死のドラマを映し出す。

『殊勲十字章』
(監督:トラヴィス・ウィルカーソン/2011年/アメリカ/BD/62分
意気揚々と語られるベトナム戦争の体験が、宗教画のような構図と小説のような章立て構成に括られる。不協和音が響く映画の冒険。

『要塞』
(監督:フェルナン・メルガル/ 2008年/スイス/35mm(VV)/105分
スイスの難民受け入れ施設。そこには亡命を希望する人々が、当局の決定を待つ間一時的に収容されている。様々な理由で故国を離れ、生きる場所を求めて世界中から流れ着いた者たちと、受け入れの是非を検討する職員たち。施設内に生まれるささやかな交流。日常的に“選別”が行われている場を見つめ続けることによって、今日の難民問題の現実を浮き彫りにする。

『革命の歌』
(監督:ヨウコ・アールトネン2006年/フィンランド/35mm(VV)/80分)
革命歌を歌う熟年者たち。学校、図書館、スーパーや夜の街で堂々と歌う彼らは一体何者なのか? 1960年後半、理想主義に燃え社会主義運動に触発された歌と数々の音楽グループが誕生した。40余年を経て、若く美しい活動家だった彼らも今は中高年に。揚々と歌う当時の姿と現在の職場などでの歌いっぷりをあわせ見せ、「よりよい世界」を求めていた時代を懐かしみ風刺する。

スタッフ一押し!
9年前のプレオープンでも上映した『要塞』。ため息が出るくらいの人間描写。大勢の難民申請者たち。それに対応するのはごく少数のスタッフ。申請者には独り身もいれば、家族持ちもいる。誰もがみんな救いを求めて、今より「良い場所で生きたい」という思いが伝わってきます。スタッフと申請者との面談では耳を塞ぎたくなるような過去の体験談が語られます。「なぜ申請するの?」「故郷についてどう思っている?」。回答全てが真実と判断されるわけではなく、簡単に希望が却下されることも。「要塞」というタイトル通り、がっちがちに固められた建物の中で規則に縛られた生活ばかりなのかと思いきや、収容所にいる子ども同士でサッカーやトランプゲームをする姿などが見られます。生活が存在する。しかし難民申請の可否までの時間は限られており、要塞では確実に人/人生が処理されている。

「要塞」に存在する社会や登場人物たちを食い入るように見ている自分がいました。世界では様々なことが起こっている。10年前の作品だが見応え十分。でもまた満足できない。もっと色んな国のドキュメンタリーを観てみたい。そう思わせてくれる1本でした…。ぜひ普段とは違う映画の面白さを発見できると思います。ぜひご覧ください。そしてお祝いしていただけると嬉しいです。
山形国際ドキュメンタリー映画祭傑作選

上映期間:
8/17(土)~8/23(金)

料金:
『スクリーンプレイ』 ¥2,200均一 ※無料鑑賞不可
その他4作品 一般¥1,500/学生・障がい者¥1,000/シニア・サービスデー¥1,100 ほか
※連日日替わり上映。