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元町映画館☆特集

『わたしは金正男を殺してない』

事実は小説より奇なり…

(c)Backstory, LLC. All Rights Reserved
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事実は小説より奇なり…という言葉があります。「夢」という言葉を簡単に持ち出して、関係者の人生をひっくり返してしまう。しかし、その実行犯は雲隠れ。どこにいるかも分からない。皆さんは覚えているでしょうか。白昼の空港で北朝鮮の朝鮮労働党委員長・金正恩の金正男が殺されたことを。しかもその犯人は「暗殺」から程遠い普通の女性たちだったということを…。

こんなお話
暗殺事件が空港で起きた。被害者は北朝鮮の朝鮮労働党委員長・金正恩の金正男。殺したのは若い女性2人。被害者とは全く面識のない関係性。ではなぜ、彼女たちはそんな大事件を引き起こしてしまったのか。そこには北朝鮮の工作員らによる巧妙な計画があった…。

いや、正直この事件、その後どうなった?…と思っていました。事件が起こったことは大々的にマスコミによって周知されましたが、が!です。その後、その犯人と言われる女性たちがどうなったか。それがほぼ報道されていなかったと思います。いかがでしょうか。

これは綿密に仕組まれた暗殺だった。でも彼女たちは無関係というわけじゃない。
2017年にマレーシア、クアラルンプール国際空港の出発ロビーで殺害、実行犯はともに20代。インドネシア人のシティ・アイシャとベトナム人のドアン・ティ・フォン。簡単に言うと彼女たちは巻き込まれた。巧妙で壮大な作戦に。

まず冒頭に衝撃的な映像を観る。彼女たちがある男(金正男)に背後から近づき、顔に何かを塗るような仕草。その後、男はふらつきながら警備員に相談し、その後意識不明となる。一方で彼女たちは何が起こったか分からず、ただ手に感じた刺激に恐れて洗面所へ向かう。この時はまだ彼女たちは自分たちが何をやったか覚えていないようだ。そして突然逮捕される彼女たち。空港内の監視カメラにはばっちりと映像が記録されていた。なぜ彼女たちは暗殺者になってしまったのか。本作を観ると、その「なぜ?」がはっきりと見えてくる。

彼女たちの境遇、一人は有名に、女優になりたくて。一方はお金のため。彼女たちの裏には北朝鮮工作員たちの画策がいくつも用意されて、彼女たちはレールに乗ってしまった。0から1へ、彼女たちの夢が膨らむようすもSNSで確認できる。事件までのたった60日間で彼女たちは天国と地獄を味わった。工作員とやりとりしたのはいくつかのメッセージと、事件当日までに何度も繰り返された「ドッキリ」という名の予行演習。人気者になるために「イタズラ動画への出演」と題して、何度も彼女たちを動画に登場させて、好奇心を煽ってきた。彼女たちはそれが暗殺の練習になるとは思わず無我夢中で取り組む。

どんなやりとりが行われていたのか。本編が進めば進むほど、「これは本当に真実なのか」と疑いたくなる。あまりに巧妙で大胆。信じられないくらい、キレイにことは進んでいく。いや信じたくないのかもしれない。「いつ、自分も巻き込まれるか」と思う光景が続いていく。一方でなぜ、ここまで黒幕がハッキリしているにも関わらず、彼女たちだけが攻撃、責められなければならないのか。

そして彼女たちは、どうなってしまうのか。捨てる神あれば拾う神あり…という言葉そのままに、彼女たちの重荷を何とか軽くしようと登場する弁護団たち。彼女たちは人生を再び取り戻すことができるのか。この時期、映画館に行くのが遠のくことも多いと思いますが、ぜひ真実を映画館でお確かめください。
わたしは金正男を殺してない

上映スケジュール
11/21(土)~11/27(金)17:00~
11/28(土)~12/4(金)14:30~