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元町映画館☆特集

国のために、民衆のために『王の願い ハングルの始まり』

韓国映画って面白い!

これでもか!と韓国映画って面白いなと思わされました。
今回ご紹介するのは『王の願い ハングルの始まり』。主演には『パラサイト 半地下の家族』で国際派スターへ躍進したソン・ガンホ。全ての民が文字を読み書きできる国を夢見た世宗王を演じます。
この役が本当素晴らしい。と長くなるのでまずはあらすじ。

あらすじ
朝鮮第4代国王・世宗の時代。朝鮮国内には自国語を書き表す文字が存在せず、上流階級層だけが中国の文字を使用していた。この状況を改善すべく、世宗(ソン・ガンホ)は朝鮮独自の文字を作ることを決意。言語に詳しい和尚と弟子を呼び寄せ、新しい言語の創製を試みるが……。

いきなりなんですが、私、歴史モノの映画苦手なんです。どうしてもその国のバックグラウンドを知っておこないと楽しめない、そんな気がして、いつも敬遠してました。

でも今回はちょっと観てみようと。だってソン・ガンホさんが出ているので。アタリでした。表現が合っているか分かりませんがアタリ。歴史に詳しくなくても、史実とフィクション、そして独特なユーモアを組み合わせた本作。「文字を生み出す」。それだけだとマジメ映画なのかなと思いますが、そこは韓国映画。上映時間1時間50分の中で飽きないように作られてます。すっごいな韓国映画。

ということで歴史は苦手なので、淡々と物語の内容の凄さよりも出演者の凄さをお話しします。
もうすごいっと言ったら主演のソン・ガンホさん。アカデミー賞受賞作品『パラサイト 半地下の家族』をはじめ、『タクシー運転手』など数々の名作に出演されています。名前だけで人を呼べる、数少ない俳優の一人ではないでしょうか。

そのソン・ガンホさんが今回は世宗さんを演じています。ハングルが出来上がるまで、自身は病気を
患いつつ、悲願を達成しようとします。その堂々たる姿、そして部下の反対を押し切りつつ、時になだめつつ遂行する姿。

最も好きなシーンは、身分の低い僧侶たちと同じ居間で発音の練習をするシーン。納得のいく音が出ない中、一人が楽器の音を聞いて閃き、一堂で実践する。いつもは王様の格好をしているけれど、僧侶の前では同じ目的のために彼らと同じ目線にたち、ゴールを目指す。その立ち振る舞いはやはりソン・ガンホだからできることなのか。文字を研究する姿はまるで少年のよう。言葉を発見した時の喜びようは見ているこちらも嬉しくなる。子どものような表情をするんだなぁ、ソン・ガンホさんが。

個人的には韓国語を少しかじったこともあったので、日本語にない音を探すときの舌の形とか、音の出し方、探し方も面白く見れました。これは語学を知っていると知らないとでは面白さの度合いも違うかも。

韓国、歴史映画としてみればかなり楽しめる作品です。重厚な文字が生まれるその瞬間をぜひスクリーンでお確かめください。
王の願い ハングルの始まり
(監督・脚本:チョ・チョルヒョン/2019年/韓国/110分)

上映スケジュール
7/10(土)-7/16(金) 10:30~
7/17(土)-7/23(金) 12:10~