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穴井文彦:ライフ×ワーク

Vol.4 「石の上にも3年」って、古いですか?

仕事を選べる時代に「石の上にも3年」って、古いですか?

Vol.4 「石の上にも3年」って、古いですか?
「いつやるか?今でしょ」の決め台詞で一躍有名になった東進ハイスクールの林修さん。この方のインタビューをラジオで聞きました。

林さんはカリスマ講師と呼ばれ、東大などの一流大学を目指す優秀な生徒たちから絶大な信頼を得ています。しかし、学生だった頃は「絶対に予備校の講師なんかにはならない」と思っていたそうです。彼自身東大の学生だったわけですから、高級官僚でも大手企業の幹部でもなんにでもなれたわけです。しかし、バブル時代を背景に起業したビジネスが次々に失敗して借金まみれとなり、しかたなく予備校の講師となったそうです。いまでも予備校の講師という仕事は好きではないらしいのですが「この仕事には向いている」のだそうです。好きではなかったけれど、やってみたら向いていた。だから、いろいろ工夫している内に一流になった、そんな感じのようです。

自分の好きなことを仕事にしている人って、どのくらいいるのでしょう?

多くの人は、そこしか受からなかったからとか、たまたま募集していたからという理由で会社に入るケースが多いのではないでしょうか。希望通りの会社に入っても、配属先が希望通りとは限りませんし、大手企業であれば、異動でいろいろな仕事をさせられます。しかし、最初は気に染まない仕事でも、やっている内に「意外に自分に向いているな」と感じるようになることも結構多いように思います。

私自身も本当にしたい仕事は他にありました。しかし、それは叶わず、地方の印刷会社でずっと働いていました。最初は嫌で嫌でしかたありませんでした。しかし、ある時から「嫌だ嫌だと思っていても何も解決しない。この仕事を受け入れよう」と思えるようになり、それからは仕事に没頭し、すごく働きました。それから約25年、その当時まったく想定していなかった会社経営を今はしています。

今はなんでも選べる時代です。仕事もいろいろと選べる時代です。就職しても、多くの転職サイトが「もっとあなたに向いている仕事がありますよ」とささやき続けます。そんな時代だから、仕事も目移りしてしまうのはしかたないかもしれません。しかし、あまりに早く見切ってしまうのはもったいないです。大きなチャンスを逃している可能性があります。

一度きりの人生だからあれこれ悩み、迷うことは必要ですが、やはり「石の上にも3年」、どこかで腰を据えて自分を追い込むことも大切だと思います。

多くの日本の企業が苦境にあえいでいます。仕事のしかたも働き方も大きく変化しています。だから、今の会社はどこも昔に比べて働きにくくなっています。若い人に限らず中高年の人も迷いが多いと思います。自分の会社だけがおかしいのではないか、と思いたくなります。しかし、それは錯覚だと私は考えています。

今の時代、転職に関しては「いつやるか?今でしょ」は、危ない決断です。

2013/07/19